2019/01/31

カイソウ

 カイソウ

 オカモト カノコ

 ナカノマ で ミチコ は オトウト の ジュンジ の ショウガツ キモノ を ぬいおわって、 コンド は アニ の リクロウ の ブン を ぬいかけて いた。
「それ オヤジ の かい」
 ハナレ から ロウカ を あるいて きた リクロウ は、 トオリスガリ に ちらと ヨコメ に みて きいた。
「ニイサン の よ。 これから ニイサン も カイシャ イガイ は なるべく ワフク で すます のよ」
 ミチコ は カオ も あげない で、 いそがしそう に ぬいすすみながら いった。
「コクサク の セン に そって と いう の だね」
「だから、 キモノ の ヌイナオシ や シンチョウ に コノゴロ は イチニチジュウ タイヘン よ」
「はははははは、 ヒトリ で いそがしがってら、 だが ね、 ことわって おく が、 ギンブラ なぞ に でかける とき、 オレ は ワフク なんか きない よ」
 そう いって さっさと ロウカ を あるいて ゆく アニ の ウシロスガタ を、 ミチコ は カオ を あげて じっと みて いた が、 ほーっと トイキ を ついて ヌイモノ を タタミ の ウエ に おいた。 すると キュウ に クッタク して きて、 おおきな セノビ を した。 カタ が こって、 すわりつづけた リョウモモ が だるく はった カンジ だった。 ミチコ は たちあがって ロウカ を あるきだした。 そのまま ゲンカン で ゲタ を はく と、 フユバレ の ゴゴ の コガイ へ でて みた。
 ヒ は すでに ニシ に とおのいて、 ニシ の ソラ を ウスモモイロ に もえたたせ、 メノマエ の まばら に たつ ジュウタク は カゲエ の よう に くろずんで みえて いた。 ミチコ は ヒカリ を もとめて すすむ よう に、 ジュウタクガイ を つっきって ソラ の ひらけた タマガワ ワキ の クサハラ に でた。 イチメン に もえた ザッソウ の ナカ に たって、 おもいきり テ を ふった。
 フユ の ヒ は みるみる うち に ニシ に しずんで、 モモイロ の ニシ の ハズレ に、 アイイロ の サンミャク の ミネ を うきあがらせた。 チチブ の レンザン だ! ミチコ は こういう ユウゲシキ を ゆっくり ながめた の は コンシュン ジョガッコウ を ソツギョウ して から イチド も なかった よう な キ が した。 あわただしい、 しじゅう おいつめられて、 ちぢこまった セイカツ ばかり して きた と いう カンジ が ミチコ を フマン に した。
 ほーっと おおきな トイキ を また ついて、 カノジョ は テイボウ の ほう に むかって あるきだした。 つめたい カゼ が ふきはじめた。 カノジョ は いきおい アシ に チカラ を いれて クサ を ふみにじって すすんだ。 ミチコ が テイボウ の ウエ に たった とき は、 かがやいて いた ニシ の ソラ は しろく にごって、 ニシ の カワカミ から カワギリ と イッショ に ユウモヤ が せまって きた。 ヒガシ の ソラ には マンゲツ に ちかい ツキ が あおじろい ヒカリ を こっこく に まして きて、 ハバ 3 ジャク の テイボウ の ウエ を マッシロ な タンドウ の よう に めだたせた。 ミチコ は キュウ に そうけだった ので、 カラダ を ぶるぶる ふるわせながら テイボウ の ウエ を あるきだした。 トチュウ、 ふりかえって いる と ジュウタクガイ の マドマド には ちいさく デントウ が ともって、 ヒト の カゲ も さだか では なかった。 まして その ムコウ の オモテドオリ は ただ イチレツ の アカリ の セン と なって、 カワシモ の ハシ に つらなって いる。
 ダレ も みる ヒト が ない………… よし………… おもいきり テアシ を うごかして やろう………… ミチコ は ココロ の ナカ で つぶやいた。 ヒザ を たかく おりまげて アシブミ を しながら リョウウデ を ゼンゴ に おおきく ふった。 それから ゲタ を ぬいで かけだして みた。 ジョガッコウ ザイガクチュウ ランニング の センシュ だった トウジ の イキゴミ が ゼンシン に わきあがって きた。 ミチコ は キモノ の スソ を はしょって テイボウ の ウエ を かけた。 カミ は ほどけて カタ に ふりかかった。 ともすれば テイボウ の ウエ から アシ を ふみはずし は しない か と おもう ほど まっしぐら に かけた。 モト の ゲタ を ぬいだ ところ へ かけもどって くる と、 さすが に カラダ ゼンタイ に アセ が ながれ イキ が きれた。 ムネ の ナカ では シンゾウ が はげしく うちつづけた。 その シンゾウ の コドウ と イッショ に ゼンシン の キンニク が ぴくぴく と ふるえた。 ――ホントウ に はつらつ と いきて いる カンジ が する。 ジョガッコウ に いた コロ は これほど かんじなかった のに。 マイニチ キュウクツ な シゴト に おさえつけられて くらして いる と、 こんな カケアシ ぐらい でも こう まで いきて いる カンジ が めずらしく かんじられる もの か。 いっそ マイニチ やったら――
 ミチコ は カミ を たばねながら イソギアシ で イエ に かえって きた。 カノジョ は この ケイカク を ウチ の モノ に はなさなかった。 リョウシン は きっと さしとめる よう に おもわれた し、 キョウダイ は したしすぎて からかう ぐらい の もの で あろう から。 いや それ より も カノジョ は ツキアカリ の ナカ に シック する コウフン した キモチ を ジブン ヒトリ で ナイミツ に あじわいたかった から。
 ヨクジツ ミチコ は アンダーシャツ に パンツ を はき、 その ウエ に キモノ を きて かくし、 ヨゴレタビ も シンブンガミ に くるんで イエ を でよう と した。
「どこ へ いく ん です、 この いそがしい のに。 それに ユウメシドキ じゃ ありません か」
 ハハオヤ の コエ は するどかった。 ミチコ は コシ を おられて ひきかえした。 ユウショク を キョウダイ と イッショ に すました アト でも、 ミチコ は サクバン の カケアシ の カイカン が わすれられなかった。 ガイシュツ する コウジツ は ない か と しきり に かんがえて いた。
「ちょっと セントウ に いって きます」
 ミチコ の オモイツキ は しごく トウゼン の こと の よう に ウチ の モノ に ききながされた。 ミチコ は いそいで セッケン と テヌグイ と ユセン を もって オモテ へ でた。 カノジョ は キモノ の スソ を けって イッサン に テイボウ へ かけて いった。 つめたい カゼ が ミミ に いたかった。 テイボウ の ウエ で、 さっと キモノ を ぬぐ と テヌグイ で ウシロ ハチマキ を した。 りりしい ジョリュウ センシュ の スガタ だった。 タビ を はく の も もどかしげ に アシブミ の ケイコ から カケアシ の スタート に かかった。 つまさきだって ミ を かがめる と、 つめたい コンクリート の ウエ に テ を ふれた。 オン ユアー マーク、 ゲット セッ、 ミチコ は バネジカケ の よう に とびだした。 キノウ の ごとく あおじろい ゲッコウ に てらしだされた テイボウ の ウエ を、 はるか に シタ を タマガワ が ギンイロ に ひかって そうそう と オト を たてて ながれて いる。
 しだいに アシ の ツカレ を おぼえて ソクリョク を ゆるめた とき、 ミチコ は ツキ の ヒカリ の ため か イッシュ ヒソウ な キブン に うたれた―― ジブン は イマ はつらつ と いきて は いる が、 ちがった セカイ に いきて いる と いう カンジ が した。 ジンルイ とは はなれた、 さびしい が しかも ゲンシュク な セカイ に いきて いる と いう カンジ だった。

 ミチコ は キモノ を きて コバシリ に オモテドオリ の オユヤ へ きた。 ユ に つかって アセ を ながす とき、 はじめて また モト の ニンゲンカイ に たちもどった キ が した。 ミチコ は ジブン ドクトク の イキカタ を ハッケン した コウフン に わくわく して ハダ を つよく こすった。
 イエ に かえって チャノマ に ゆく と、 ハハオヤ が フシン そう な カオ を して、
「オユ から どこ へ まわった の」 と きいた。 ミチコ は、
「オユ に ゆっくり はいってた の。 カタ の コリ を ほごす ため に」
 ソバ で シンブン を よんで いた アニ の リクロウ は これ を きいて 「オバアサン の よう な こと を いう」 と いって わらった。 ミチコ は だまって ナカノマ へ さった。

 ミチコ は その ヨクバン から できる だけ すばやく ランニング を すまし、 オユヤ に かけつけて アセ も ざっと ながした だけ で かえる こと に した。 だが ハハオヤ は ムスメ の ナガユ を キ に して いた。 ある バン、 ミチコ が オユ に でかけた チョクゴ、
「リクロウ さん、 オマエ、 すぐ ミチコ の アト を つけて みて くれない。 それから できたら まってて かえる ところ も ね」
 と ハハオヤ は たのんだ。 リクロウ は イモウト の アト を つける と いう こと が したしすぎる だけ に ミョウ に てれくさかった。 「こんな さむい バン に かい」 カレ は ベツ な コトバ で いいあらわしながら、 ハハオヤ の せきたてる の も かまわず、 ゆっくり マント を きて ボウシ を かぶって でて いった。 リクロウ は なかなか かえって こなかった。 ハハオヤ は じりじり して まって いた。 その うち に ミチコ が かえって きて しまった。
「また レイ の とおり ナガユ です ね。 そんな に テイネイ に あらう なら 1 ニチ-オキ だって も いい でしょう」
「でも オユ に いく と アシ が ほてって、 よく ねむれます もの」
 ともかく、 ねむれる こと は ジジツ だった ので、 ミチコ は シンケン に なって いえた。 ハハオヤ は、
「アシタ は ニチヨウ で オトウサマ も イエ に オイデ です から、 ヒルマ ワタシ と イッショ に いきなさい」
 と いった。 ミチコ は なんて オヤ と いう もの は うるさい もの だろう と よわって、
「なぜ そう ワタシ の ナガユ が キ に なる の。 ねる マエ に いく ほう が いい けれど、 それじゃ アシタ は ヒルマ いきましょう」
 ミチコ は 1 ニチ ぐらい は ガマン しよう と あきらめた。 それ が ちょうど ヨクジツ は アメフリ に なった。 ミチコ は ふりつづく アメ を ながめて―― この テンキ、 テンユウ って いう もん かしら………… すくなくとも ワタシ の ヒカン を なぐさめて くれた ん だ から………… そう おもう と なんだか おかしく なって ヒトリ くすくす わらった。
 オヒルスギ に ハハオヤ と カサ を さして すました カオ で オユ に いった。
「そんな に ながく オユ に つかってる ん じゃ ありません よ」
 ハハオヤ が あきれて しかった けれど、 ミチコ は ジブン の ナガユ を シンヨウ させる ため に カオ を マッカ に して まで たえて、 ながく オユ に つかって いた。
 やがて ナガシバ に でて アライオケ を もって くる とき は、 オユ に のぼせて ふらふら した が、 ヒタイ を レイスイ で ひやしたり、 もじもじ して いる うち に なおった。
「イイカゲン に でません か」
 ハハオヤ は ミチコ の ソバ へ よって きて コゴエ で せきたてる ので、 やっと カラダ を ふいて キモノ を きた が、 イエ へ かえる と また おかしく なって オクザシキ へ いって ヒトリ くすくす わらった。
「ミチコ は コノゴロ ヘン です よ。 マイバン オユ に いきたがって、 いった が サイゴ 1 ジカン ハン も かかる ん です から ね。 あんまり ヘン です から キョウ は ワタシ ヒルマ つれて いって みました」
 ハハオヤ は チャノマ で ニッキ を かきこんで いた ミチコ の チチオヤ に ソウダン しかけた。
「そしたら」
 チチオヤ も フシン そう な カオ を あげて きいた。
「ずいぶん ながく いた つもり でした が 40 プン しか かかりません もの」
「そりゃ オユ の ホカ に どこ か へ まわる ん じゃ ない かい」
「ですから ユウベ は リクロウ に アト を つけさせた ん です よ。 そしたら オユ に はいった と いう ん です がねえ、 その リクロウ が アテ に なりません のよ。 ヨウス を み に いった ツイデ に、 トモダチ の ウチ へ よって 12 ジ ちかく まで あそんで くる の です から」
「ふーん」
 チチオヤ は じっと かんがえこんで しまった。
 アメ の ため に ヒビキ の わるい ゲンカン の ベル が ちり と なって やむ と、 ジュシンバコ の ナカ に テガミ が おとされた オト が した。 ハハオヤ は さっそく たって いって テガミ を もって きた が、
「ミチコ-アテ の テガミ だけ です よ。 オトモダチ から です がねえ、 コノゴロ の ミチコ の ヨウス では テガミ まで キ に なります。 これ を ひとつ ナカ を しらべて みましょう か」
「そう だね、 ジョウズ に あけられたら ね」
 チチオヤ も サンセイ の カオツキ だった。 ハハオヤ は ナガヒバチ に かかった テツビン の ユゲ の ウエ に フウジメ を かざした。
「すっかり ぬれて しまいました けれど、 どうやら あきました」
 ハハオヤ は ヨッツ に おった ショカンセン を そっと ぬきだして ひろげた。
「コエ を だして よみなさい」
 チチオヤ は ヒョウジョウ を キンチョウ さした。

 いさましい オタヨリ、 ガクセイ ジダイ に かえった オモイ が しました。 マイバン パンツ スガタ も りりしく ゲッコウ を あびて タマガワ の テイボウ の ウエ を シック する アナタ を かんがえた だけ でも ムネ が おどります。 イチド でかけて みたい と おもいます。 それ に ひきかえ コノゴロ の ワタシ は どう でしょう。 カゼ ばかり ひいて、 とても そんな ゲンキ が でません……

「へえ、 そりゃ ホントウ かい」
 チチオヤ は イツモ の シンチョウ な タイド も わすれて、 トンキョウ な コエ を だして しまった。
「まあ、 あの コ が、 なんて いう ランボウ な こと を してる ん でしょう。 よびよせて しかって やりましょう か」
 ハハオヤ は テガミ を もった まま すこし きびしい メツキ で たちあがりかけた。
「まあ まちなさい。 あれ と して は この さむい フユ の バン に、 ヒト の メ の ない ところ で ランニング を する なんて、 よくよく クッタク した から なん だろう。 オレ だって マイニチ おそく まで カイシャ の ネンマツ セイリ に ボウサツ されてる と、 ナニ か トッピ な こと が したく なる から ね。 それ より オレ は、 ムスメ の トモダチ が いってる よう に、 ジブン の ムスメ が ゲッコウ の ナカ で はしる ところ を みたく なった よ………… オレ の ブンシン が ね、 そんな ところ で はしってる の を ね」
「まあ、 アンタ まで へんに コウキシン を もって しまって。 でも マンイチ の こと でも あったら どう します」
「そこ だよ、 バアイ に よったら オトウト の ジュンジ を つれて いかせたら」
「そりゃ ジュンジ が かわいそう です わ」
「ともかく、 アシタ ツキヨ だったら ミチコ の ヨウス を み に いく」
「あきれた カタ ね、 そいじゃ ワタシ も イッショ に いきます わ」
「オマエ も か」
 フタリ は シンケン な カオ を つきあわせて いいあって いた が、 キュウ に おかしく なって、 はははははは と わらいだして しまった。 フタリ は アス の ツキヨ が またれた。

 ミチコ には トモダチ から の テガミ は てわたされなかった し、 リョウシン の ソウダン なぞ しる ヨシ も なかった。 ただ いつも バンメシ マエ に かえらない チチオヤ が キョウ は ハヤメ に かえって きて ジブン ら の ショクタク に くわわった の が キ に なった。 コンバン オユ に いきたい なぞ と いえば ハハオヤ が イッショ に いく と いう かも しれぬ。 よわった。 キョウ は ゴゼンチュウ に アメ が あがって、 ツキ も やがて でる で あろう。 この コウヤ、 ヒトバン やすんで ニクタイ が まちかねた よう に うずいて いる のに。 だんだん おそく なって くる と ミチコ は いらいら して きて とうとう ハハオヤ に いった。
「オユ へ やって ください。 アタマ が いたい ん です から」
 ハハオヤ は べつに キ にも とめない フリ で こたえた。
「いい とも、 ゆっくり いって らっしゃい」
 ミチコ は われしらず カオ を ほころばした。 こんな こと って ある かしらん―― ミチコ は ユメ の よう な キ が した。 ユメ なら さめない うち に と てばやく ミジタク を しおわって オモテ へ でた。 カンプウ の ナカ を イッサン に テイボウ めがけて はしった。 ――コンヤ は フツカ ブン、 オウフク 4 カイ かけて やる――
 ミチコ は テイボウ の ウエ に かけあがって キモノ を ぬいだ。 あおじろい ツキ の ヒカリ が カノジョ の しろい アンダーシャツ を ギンイロ に ひからせ、 コシ から シタ は クロ の パンツ に きれて チュウ に うかんだ クウソウ の キョウゾウ の ごとく みえた。 カノジョ は まず ウデ を ジユウ に ふりうごかし、 アシ を ふんで カラダナラシ を すました。 それから スタート の ジュンビ も せず に、 いきなり ダンガン の よう に カワカミ へ むかって シッソウ した。 やがて はるか の ムコウ で ターン して また モト の ところ へ かけもどって きた。 そこ で せまい テイボウ-ジョウ で また くるり と ターン する と ふたたび カワカミ へ むかって かけて いった。
 この とき アト から おっかけて きた チチオヤ は クサハラ の ナカ に たって はるか に テイボウ の ウエ を しろい カタマリ が とぶ の を のぞんだ。
「あれ だ、 あれ だ」
 チチオヤ は ゆびさしながら ウシロ を ふりかえって、 ずっと おくれて かけて くる ツマ を もどかしがった。 ツマ は、 はあはあ いいながら、
「アナタ ったら、 まるで セイネン の よう に はしる ん です もの、 おいつけ や しません わ」
 ツマ の この コトバ に オット は トクイ に なり、
「それにしても オマエ の おそい こと ったら」
 ツマ は イキ を ついで、
「これ でも イッショウ ケンメイ だ もん で、 ウチ から ここ まで イチド も やすまず に かけて きた ん です から ね」
「オレタチ は あんがい まだ わかい ん だね」
「おほほほほほほほほほほ」
「あはははははははははは」
 フタリ は ゲッコウ の シタ を カンプウ を きって はしった こと が キンライ に ない ヨロコビ だった。 フタリ は ムスメ の こと も わすれて、 コエ を たてて わらいあった。

ある オンナ (ゼンペン)

 ある オンナ  (ゼンペン)  アリシマ タケオ  1  シンバシ を わたる とき、 ハッシャ を しらせる 2 バンメ の ベル が、 キリ と まで は いえない 9 ガツ の アサ の、 けむった クウキ に つつまれて きこえて きた。 ヨウコ は ヘイキ で それ ...